不動産購入検討時の重要ポイント!用途地域を知ろう

052-916-3641

営業時間 9:00~18:00
定休日 火曜日・水曜日

最近の投稿

カテゴリ

アーカイブ

2023年08月24日

不動産購入検討時の重要ポイント!用途地域を知ろう

売地や売マンションなどの不動産広告に、「用途地域:〇〇〇地域」という説明があるのを見たことはありませんか?

「用途地域」って、字面からなんとなくは想像できても、具体的なことになるとよく知らないという方も多いのではないかな?と思います。

不動産を購入しようとする際、用途地域を把握しておくことはとても大切なポイントです。

私も細かい部分になるとすぐ忘れてしまうので、おさらいの意味も込めて、今回は用途地域について説明してみたいと思います。
 

用途地域とは?

「用途地域」とは、建築できる建物の用途に応じて分けられた地域をいいます。

それぞれの用途地域には、「土地の用途」「建物の種類」「建物の大きさ」などの規定が個別に設けられていて、その規定の範囲内でのみ建物の建築ができます。


もしも、建築物の規定が定められていなかったら大変です。

誰もが自由な場所に好きな建物を建ててしまえることになるので、例えば、

住宅と住宅の間に高層ビルが建ったり、小学校の隣に風俗ビルが建ったり、病院の隣に危険物を扱う工場が建ったり・・・


様々な用途の建物が自由に建てられるとなると、景観面で統一感が無くなるのはもちろんですが、なにより人々の住環境面において快適性が失われ、不便かつ無秩序な街ができあがってしまうのです。


つまり、用途地域は、こうした用途の混在を防ぎ、計画的な市街地を形成するための目的で定められています。
 

用途地域は全部で13種類

用途地域は「都市計画法」に基づいており、概ね5年に一度、全国一斉に見直されます。

近年では2018年4月1日、改正された都市計画法の施行に伴って、「田園住居地域」が新たに追加され、用途地域は全部で13種類となりました。


用途地域が指定されると、それぞれの目的に応じて、

・建物の種類
・建ぺい率
・容積率
・高さ制限
・前面道路幅員別容積率制限(道路幅員に乗ずる数値)
・道路斜線制限
・隣地斜線制限
・日影規制

などを決定することができます。
 

【住居系】【商業系】【工業系】に分類される

13の用途地域は、大枠として次のように【住居系】【商業系】【工業系】に分類され、それぞれはさらに細かく分けられます。


住宅系/8種類
住宅街として発展させる事を目的とした地域で、工業系の建築物や大型の商業施設は、建築が禁止される場合や大きさに制限を設けられることが多い。

商業系/2種類
繁華街やオフィス街の用途として発展させる地域で、住居系用途地域では規制を受けている大型商業施設(デパート)や、遊戯施設などの建築が可能。

工業系/3種類
工場が集まる工業団地としての発展を目的とした地域で、用途地域の種類によっては一部の公共施設や住居の建築が禁止されていることもある。


表にしてみました↓
用途地域一覧

■第一種低層住居専用地域

第一種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な住環境を守るための地域で、

13種類の用途地域の中で最も厳しい規制がかけられています。

建物の高さは10mまたは12mまでに制限されるので、戸建住宅や低層のアパート主体の街並みになります。

床面積の合計が50m²までの住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所、神社仏閣などを建てることができます。

通常はコンビニエンスストアも建てられず、日用品や日常生活のための小規模な店舗兼用住宅が点在する程度になるのですが、近年は高齢者の買い物の不便さを鑑み、コンビニエンスストアを容認する動きが出ているそうです。
 

■第二種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域は、主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域で、

第一種低層住居専用地域に次ぐ厳しい規制のかかった用途地域です。

150m²までの一定条件の店舗等が建てられます。

第一種低層住居専用地域の街並みに、コンビニなどの小規模な店舗が加わります。
 

■第一種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅の良好な住環境を守るための地域で、

500m²までの一定条件の店舗等、中規模な公共施設、病院・大学なども建てられます。

3階建て以上のアパートやマンションがある住宅街の街並みに、小規模なスーパーマーケットやドラッグストアなどの店舗が目立つようになります。
 

■第二種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域は、主に中高層住宅の良好な住環境を守るための地域で、

1500m²までの一定条件の店舗や事務所等が建てられます。

第一種中高層住居専用地域の街並みに、小規模のスーパーや、やや広めの店舗・事務所などが加わります。
 

■第一種住居地域

第一種住居地域は、住居の環境を保護するための地域で、

3000m²までの一定条件の店舗・事務所の他、中規模のスーパーや小規模のホテル(ラブホテル類を除く)、中小の運動施設、環境影響の小さいごく小規模な工場も建てられるようになります。
 

■第二種住居地域

第二種住居地域は、主に住居の環境を保護するための地域で、

10000m²までの一定条件の店舗・事務所の他、ホテル(ラブホテル類を除く)・パチンコ屋・カラオケボックス等や、環境影響の小さいごく小規模な工場が建てられます。

具体例としては、郊外の駅前や幹線道路沿いなどの街並みで、大きめのスーパーや商業店舗・事務所などがある地域です。
 

■田園住居地域

田園住居地域は、農地や農業関連施設などと調和した、低層住宅の良好な住環境を守るための地域です。

2018年4月1日に都市計画法の改正案が施行されて、25年ぶりに加わった一番新しい用途地域になります。(2023年8月時点)

ビニールハウスなどの農産物の生産施設や農産物・農業の生産資材の倉庫等の他、

500m²までの一定の地域で生産された農産物を販売する店舗なども建てられます。

具体例としては、農産物直売所・農家レストランを中心とした地域で、「地産地消を推進したい」という目的で設置された用途地域とも言えます。

これら農産物直売所・農家レストランについて規制解除された他は、第二種低層住居専用地域に準じています。
 

■準住居地域

準住居地域は、道路の沿道等において、自動車関連施設などと住居が調和した環境を保護するための地域です。

10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル(ラブホテル類を除く)・パチンコ屋・カラオケボックス等の他、小規模の映画館、車庫・倉庫、環境影響の小さいごく小規模な工場も建てられます。

具体例としては、国道や幹線道路沿いなどの街並みで、宅配便業者や小規模な倉庫が点在するような地域です。

「道路沿いの住宅街に倉庫を建てさせたい」という目的で設置された用途地域とも言え、車庫について規制解除された他は第二種住居地域に準じています。
 

■近隣商業地域

近隣商業地域は、近隣の住民が日用品の買い物をする店舗等の、業務の利便の増進を図る地域です。

ほとんどの商業施設・店舗・事務所の他、ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス・映画館、車庫・倉庫、小規模の工場も建てられます。

延べ床面積の規制が無いため、場合によっては中規模以上の建築物も建てられます。

具体例としては、小さな商店が立ち並ぶ状態から中規模以上の商業施設までの、駅前商店街です。
 

■商業地域

商業地域は、主に商業等の業務の利便の増進を図る地域です。

ほとんどの商業施設・店舗・事務所、ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場の他、広義の風俗営業および性風俗関連特殊営業関係の施設も建てられます。

具体例としては、都心部の繁華街やオフィスビル街です。

延べ床面積規制が無く、また容積率限度も相当高いため、高層ビル群も建てられます。

工場関係以外はほぼ何でも建設可能な地域です。
 

■準工業地域

準工業地域は、主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域です。

住宅や商店も建てることができるのですが、危険性・環境悪化のおそれが大きい花火工場や石油コンビナートなどは建設できません。
 

■工業地域

工業地域は、主に工業の業務の利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てられます。

住宅や店舗も建てることができるのですが、学校・病院・ホテルや旅館は建てられません。

具体例としては、大規模な工場の隣に社員寮やスーパーがあるような街並みです。
 

■工業専用地域

工業専用地域は、工業の業務の利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てられます。

住宅が建設できない唯一の用途地域となっています。

住宅の他、物品販売店舗、飲食店、学校・病院・ホテルや旅館、福祉施設(老人ホームなど)も建てられません。

具体例としては、石油コンビナートや製鉄所などの環境悪化の可能性が大きい設備が設立されている地域です。

火薬などを扱う危険性が極めて大きい工場もこの地域に建設されます。

 

用途地域の調べ方

検討している不動産が在る場合は、不動産広告に記載された概要を見るのが手っ取り早いです。

用途地域を自分で調べたいときは、市町村の役所の都市計画課で確認することができます。

インターネットで都市計画図を公開している自治体も多いので、検索エンジンで「調べたい市区町村名」と、「用途地域」もしくは「都市計画図」と検索すれば簡単に閲覧できますので試してみてくださいね。
 

まとめ

例えば土地を購入して、マイホームを建てようと計画したとき。

検討する土地の在る地域がどの用途地域に指定されているかを知り、その土地が、自分の思い描く暮らしのイメージに合っているのかを確認することは、とても重要です。

自分が建てたい大きさの建物が建てられなかったら元も子もないですし、利便性第一で決めた人が音の問題に悩んだり、近くに歓迎しない施設が建ってしまった、というケースは少なからずあります。

購入してから、しまった!と後悔するには、不動産はあまりに高額ですから。

これから不動産を購入しようと思う方は、必ず用途地域をチェックするようにしてくださいね(^_-)-☆
ページの先頭へ